AIで増えるデータの守り方|全部消した経験から
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目次
こんな人向け
- AIで作った素材やコードが増えてきて、整理の必要を感じている
- バックアップを取っていないが、いつか取ろうと思っている
- 一度でも「消してしまった」経験がある
先に、自分の失敗から書く。
仕事のデータを全部まとめていたマスターフォルダがあった。作業を続けるうちに中身が散らかってきたので、あるとき「きれいにしよう」と思って整理を始めた。その作業の途中で、残すつもりだったものまで消えた。
そして気づいた。バックアップを取っていなかった。
戻せるものが何もなく、結局そこにあったものを一から作り直すことになった。失ったのはファイルだけではなく、それを作るのにかけた時間だった。
結論:保存先は2か所以上、置き場所を分ける

琥珀
「あとで取ろう」と思っているうちが、いちばん危ないときなんですよね。ボクも同じことを言われました。
事故の起き方には種類がある。機械が壊れる、自分で消す、書き換えてしまう。この3つは別々の事故で、対策も別になる。
機械の故障には、別のディスクへのコピーが効く。自分で消した場合は、コピーが自動で作られていないと助からない。書き換えてしまった場合は、過去のある時点に戻せる仕組みが要る。
だから保存先は2か所以上に分ける。そして少なくとも1つは、自分が操作しなくても勝手に取られている状態にしておく。手で作業する前提のバックアップは、忙しいときに必ず止まる。
環境の全体像:3つの層で守る
1層目:自動で世代を残す(Time Machine)
Macなら、外付けディスクを繋いでTime Machineを有効にするところから始めるのが早い。設定したあとは自分で何もしなくてよく、過去の時点に戻せる。
「消してしまった」「上書きしてしまった」に効くのはこの層だ。1回設定すれば動き続けるので、手をかけずに済むという一点で、他のどの方法より確実だと思っている。
小型で 2TB の大容量、動画ファイルのバックアップや、MacBook から外出先への動画持ち出しに使える。USB 3.2 Gen2x2 対応で高速転送。
- 容量2TB
- インターフェースUSB 3.2 Gen2x2
- 耐久性耐衝撃設計
- 3.5万円で 2TB、1TB あたり 1.75万円と容量単価が安い
- USB 3.2 Gen2x2 対応で、外付けHDDよりも大幅に高速な転送ができる
- サイズが小さく、ポケットに入る持ち運び性
- ポータブル SSD は消費電力が少ないが、落下衝撃に弱い(ケース別売)
- 発熱がある程度ある(連続大容量転送時に熱くなる)
2層目:作ったものの置き場を本体の外に出す
AIで画像や動画を作り始めると、保存先はすぐに埋まる。埋まると、消す判断を毎回することになる。この「消す判断」を繰り返している状態が、いちばん事故に近い。
置き場を本体の外に用意しておくと、消さずに済む。複数のPCから同じデータを触れるようになるのも効いてくる。

AIモデルと学習用データの置き場。10GbEポートがあるので、PCから直接読み書きしても待たされにくい。ハードディスクは別売り。
- ベイ数4(SATA)+ M.2 NVMe 2スロット
- ネットワーク10GbE ×1 / 2.5GbE ×1
- メモリ8GB DDR5
- 10GbEポートを備え、大きなファイルの読み書きでネットワークが詰まりにくい
- M.2 NVMeスロットが2つあり、よく使うデータを速い側に置ける
- 4ベイなので、容量が足りなくなっても後から増やせる
- ハードディスクは別売り。本体9万円に加えてディスク代がかかる
- 置き場所と電源、有線LANの配線が要る
- 10GbEの速度を活かすにはPC側とハブも10GbE対応が要る
- 安く抑えるなら置き場を作る目的は果たせる。10GbEと4ベイの余裕は無くなる
3層目:コードと設定はGitHubに上げる
ファイルのコピーだけでは守れないものがある。コードや設定ファイルは、「いつ・何を・なぜ変えたか」が残っていないと、戻せても意味が分からなくなる。
GitHubのようなリポジトリに上げておくと、履歴ごと残る。しかも手元のマシンが丸ごとなくなっても、別のマシンから取り戻せる。自分が消したのはまさにこの種類のデータで、履歴ごと残していれば1コマンドで戻せていた。
机の下に置く NAS(ネットワークストレージ)。MacBook 複数台で共有ストレージを使え、バージョン管理・自動バックアップが可能。小規模スタジオの中枢。
- ベイ数2ベイ (HDD/SSD 対応)
- CPUquad-core
- ネットワーク1GbE
- 対応 OSmacOS, Windows
- 2ベイ構成で、ハードディスクを追加すれば容量を増やせる
- RAID 1 設定にすると、ディスク1台分の容量を使う代わりに、1台が壊れても自動復帰できる
- Mac Time Machine 対応で、自動バックアップが可能
- 本体価格とは別にハードディスクを購入する必要があり、合計費用は本体価格より高くなる
- セットアップに 1〜2 時間、初期化・RAID 設定が必要
- もう一段上なら10GbEとNVMeで読み書きが速い。大きなモデルを直接読むなら
予算別の落とし所
まず1万円台の外付けディスクを1台買ってTime Machineを有効にする。ここまでで、事故の大半には対応できる。何もしていない状態から、これをやるだけで差が大きい。
3〜4万円まで出せるなら、持ち運べるSSDにして、外での作業にも使えるようにする。速度が上がるぶん、バックアップが終わるまでの待ち時間も短くなる。
10万円前後まで見られるなら、置き場を独立させる。ここまで来ると、容量を理由に何かを消す場面がほぼなくなる。
注意点:バックアップは事故の前にしか作れない

琥珀
「取っておけばよかった」は、取れなくなってからしか出てこない言葉なんですよね。
当たり前のことを書くようだが、これが全部だと思っている。バックアップは事故が起きる前にしか作れない。起きたあとにできるのは、次の事故に備えることだけだ。
もう1つ、整理をする日は事故が起きやすい日でもある。普段は触らないフォルダを開き、まとめて動かし、まとめて消す。自分の失敗もこの形だった。整理を始める前に、その日のバックアップが取れているかを確認するだけで、かなり違う。
そして、バックアップは「取っている」ことより「戻せる」ことが大事になる。一度でいいので、適当なファイルを消してから復元を試してみてほしい。取れているつもりで取れていなかった、というのはよくある話だ。
